今の逞人の状態を詳しく書きます。
この状態になった経緯は逞人の出産レポート〜前編〜と逞人の出産レポート〜後編〜を読んでください。
- 重症新生児仮死
- 低酸素性虚血性脳症
- 重度脳性麻痺
- 経管栄養
- 気管切開
1.重症新生児仮死
生まれてすぐにNICUに入院になった時に、初めてもらった入院計画書にあった病名
- 重症新生児仮死
- 両側気胸
- 早産児
- 低出生体重児
逞人は出産時のトラブルにより、お腹の中で呼吸ができなくなったため、心臓が止まった状態(仮死状態)で生まれました。
生後16分で心肺蘇生しました。
両側気胸について、生まれてすぐに心臓マッサージをバンバンやられたので、その時のダメージで両方の肺に穴があきました。
その他のことが重症すぎて、あまり気胸にまで意識が向けられず記憶が曖昧ですが…しばらくしたら治ったみたいですね。
あとは、35週で生まれたので早産児で、2360gで生まれたので低出生体重児です。
10分以上心臓が止まっていた場合、その先の処置はしない先生が大半なのですが、逞人を取り上げてくださった先生は、最後の最後まで逞人の生命力を信じて諦めず、逞人の心臓を再び動かしてくれました。
蘇生後は別の病院のNICUに入院になったので、その後の逞人の状態を聞いた先生は「あと5分…あと5分はやければ…」と悔やんでくださいました。
でも先生が言うその5分間…信じて粘り続けてくださらなかったら、今の逞人はいませんでした。
逞人だけではなく、今の私たち夫婦の幸せな時間、親子の時間、初めての育児、その他の今の私を形成している幸せな時間や気持ちたちは、今ここに何も存在しなかったことでしょう。
本当に感謝しています。
あの産院でなければ、きっと逞人は助かっていませんでした。
2.低酸素性虚血性脳症
脳に酸素がいかない状態が16分以上続いたことにより、大脳と脳幹のほとんどの細胞が壊死してしまいました。(嚢胞性脳軟化症)
小脳は少しだけ機能している部分があったのですが、小脳は大脳の補佐的役割をする部分なので、大脳が機能していなければ意味がありません。
結局は小脳も含めた脳全体が浮腫んだ後に萎縮してしまって、今の状態になっています。
人間の細胞は壊れてしまったら元には戻らないそうです。
元々の細胞組織が少しでも生きていれば、回復や成長が期待できますが、逞人はこの可能性はほぼ0だと思っています。
なので、いまだに逞人は新生児のように頭がボコボコしています。
ボコボコはしていますが、ペコペコはしていないので、もう頭蓋骨がずれたままくっついちゃったのかな…?
頭の形は少ーしづつマシにはなってきていますが、多分綺麗な丸い頭にはならないのかな?と思っています。
3.重度脳性麻痺
脳性麻痺と言っても軽度から重度まで幅が広いですが、逞人の場合は最重症だそうです。
大脳→運動、感覚、認知
脳幹→呼吸、自律神経
大脳と脳幹のほとんどの機能を失っている逞人は、生まれてから自発呼吸も自発運動もしたことがありません。
こちらの問いかけに反応するどころか、光や痛み等に生理的反射的に反応することもありません。
これから先も自発呼吸や自発運動をする可能性は限りなく0に近いでしょう。
大脳と脳幹のほとんどの機能を失っている逞人が、唯一自分でできることは、心臓を動かすことです。
人工呼吸によって呼吸状態が保たれていればの話ですが…
これ不思議に思うんですけど、これだけ脳へダメージを受けていながら、逞人は自分で心臓を動かすことができる…これって、すごいですよね??
やっぱり逞人は本当に頑張り屋さんです!
4.経管栄養
生まれてすぐの頃、とにかく早く初乳を飲ませてあげなきゃ!と他のお母さんたちが直母乳をあげているのを横目に、必死に搾乳して家族に逞人の元へ届けてもらったのを思い出しました。
産んだ我が子が当たり前にそばにいて、いつでも赤ちゃんを抱っこできるお母さんたちが羨ましくて羨ましくて…
カンガルーケアしたかったなあ…
直母乳したかったなあ…
あの頃は自分だけ1人ぼっちにされた気がして、本当に辛かったです。
私は1人ぼっちなんかじゃなかったし、逞人の方が何百倍も辛かったし寂しかっただろうに…
さておき、その一生懸命に搾乳したお乳を、なんと逞人は吐いちゃうんです。
胃管から少量ずつ入れても、なぜか逆流してしまって、それが肺に入って肺炎や無気肺を起こします。
人工呼吸器に頼りっきりの逞人にとっては致命傷になりかねません。
なので、生まれてからずっと逞人は鼻から十二指腸まで管を入れて、そこに栄養(主に液体ミルク)を注入しています。
この管をEDチューブと言ったり、十二指腸チューブと言ったりします。
現在はアレルギーの問題でミルクではなく栄養剤を注入しています。
5.気管切開
生後3ヶ月までは口から気管に管を入れて人工呼吸器で肺に空気を送り込んでいましたが、自発呼吸が一切ないので、これから生きていくためには気管切開手術は必須でした。
喉に穴を開けて、カニューレという管みたいなものをその穴に差し込んで、人工呼吸器の回路と繋げます。
手術のbefore afterです。
気管切開に関しては色々と悩むことも多かったし、書き留めておきたいことがたくさんあります。
なので、手術前後の逞人の様子や親の心境等をまた詳しく別記事にします。
続きは気管切開についてを読んでください。