実は、「もしかして逞人は天気の子なのかも…?」と思う出来事が、これまで何回かありました。
最初は「晴れ男なんだね〜」くらいにしか思っていませんでしたが、いつも逞人の都合や機嫌に合わせて天気が変動するので、
もう今では私も夫も逞人は天気の子なんだ!と確信しています(笑)
そんな逞人と天気の話を書き残します。
- スペックホルダーって何?
- ただの晴れ男だと思われていた逞人
- 逞人が外出するタイミングの空模様
- 天気で意思表示してる…?
- 逞人は意思表示できる
1.スペックホルダーって何?
ドラマ「SPEC」をご存知ですか?
戸田恵梨香さんや加瀬亮さんらが出演されているドラマです。
私はそのドラマが大好きで、全シリーズはもちろんのこと、映画まで観ました。
世の中には通常の人間の能力や常識では計り知れない特殊能力(=スペック)を持った人間が潜んでいる。
もし、そのうちの何%かが、その能力を悪用しているとしたら…
という世界を描いたドラマです。
- 時間を操る能力
- 記憶を書き換える能力
- 病を処方する能力
- 未来を予言する能力
他にもたくさんありますが、こういった特殊能力を持つキャラクター達が登場します。
この特殊能力を持つ人たちのことを、ドラマの中ではスペックホルダーと呼んでいます。
天気を操る能力を持ったスペックホルダーは、ドラマには確か登場しませんでしたが、
(曖昧です。私の記憶違いだったらすみません…)
逞人は天気を操る能力を持ったスペックホルダーだと、私たちは思っています。
皆様お察しのとおり、毎度のことながら今回も親バカ投稿です。
※決して真に受けず、生暖かい目で流し読んでくださいませ(笑)※
2.ただの晴れ男だと思われていた逞人
何度も言いますが、逞人は生まれてからほとんどの時間を病院で過ごしています。
約1年5ヶ月の間で、外に出られたのは両手で数えられる程度です。
その中で、初めての退院に向けた準備期間中に、外出練習としてお散歩の日や一時外出の日がありました。
天気予報が雨となっていた日もありましたが、不思議と逞人が外に出る日は晴れてくれます。
朝に雨が降っていたとしても、逞人が外に出る時間には雨があがっていたり…
本当に不思議なものです。
先生も看護師さんも感心するほど、逞人が外出するときには不思議と雨が止むのです。
逞人は人工呼吸器や吸引器、酸素ボンベといった医療機器たちと、24時間共にいないと生命を維持できません。
これらが水に濡れてしまって故障や誤作動を起こすと、あっという間に逞人は命の危険に晒されます。
特に人工呼吸器なんかは精密機械なので、水濡れ厳禁です。
人工呼吸器をベビーカー下の荷台に載せたまま、雨の日に外出するなんて言語道断!
人工呼吸器をレンタルさせていただいている担当業者の方には、何度も口酸っぱく言われています。
逞人が退院する日や外出する時は、その担当業者の方は毎回来てくださって、人工呼吸器を万全の状態にして送り出してくれます。
天気の良し悪しに関わらず、逞人のことを気にかけて下さっていて、頼んでいなくても「逞人の移動」の時には必ず来てくれます。
頼んでいなくても…(笑)
どこからか「逞人の移動情報」を聞きつけ、逞人と逞人の人工呼吸器が心配で心配で、彼はやってきます(笑)
面白おかしく書きましたが、でも、それは本当にありがたいことです。
とっても感謝していますし、信頼もしています。
その担当業者さんも、最初の方こそ前の日から雨雲レーダーをみたりして、天気を気にしていましたが、
もう最近では「逞人くんなんで、まあ…天気は大丈夫でしょう!笑」と言ってきてくれるようになりました。
その頃から、私たちは「逞人は晴れ男なんだ〜」と認識するようになりました。
3.逞人が外出するタイミングの空模様
ある日のことです。
逞人は退院していて、家に帰ってきている時でした。
退院してから1日1日と経つにつれ、少しづつ頻脈になってきていました。
だんだんと熱も出はじめ、手足が冷たくなってきて体調不良のサインがあり、
そろそろ病院に連れて行ったほうがいいのかも…
と思い始めた夕暮れ時、外を見ると天気はあいにくの雨でした。
これではベビーカーでは連れて行けない…どうしよう…
それだと救急車を呼ぶしかないけど、救急車を呼ぶほどの体調不良でもない気がするし…
明日の朝まで様子を見て、雨が止んでから病院に行く…?
でも、明日の朝まで急変しない保証はない…
どうする?逞人??
一瞬の判断ミスも許されません。
逞人の小さなサインも見逃さないように細心の注意を払いつつ、夫と相談しました。
しかし、やっぱり絶対に後悔したくないから、逞人は病院に連れて行こう!と結論がでた頃、なんと雨はあがっているのです。
一瞬の雲の切間に恵まれて、救急車にお世話になることなく、逞人を病院に連れて行くことができました。
しかも、私と逞人が病院に着いたその瞬間に、また雨は降り出しました。
逞人が外に出るタイミング、その一瞬だけ雨が止んでくれたのです。
夫は逞人の在宅用人工呼吸器を、いつも後から追いかける形で持ってきてくれます。
逞人は普段は在宅用人工呼吸器を使っていて、ベビーカーの移動用人工呼吸器に切り替えてからでないと、在宅用人工呼吸器を動かせないからです。
そんなに到着時間の差はなかったのですが、逞人と私は雨に濡れることはなく、その少し後に夫はびしょびしょになって現れました。
私「え?雨また降ってるの?」
夫「うん。多分、逞人の真上にだけ雨雲がなかったみたい(笑)」
もちろん在宅用人工呼吸器も、雨に濡れないように死守してくれました。
自分がびしょ濡れになってでも、逞人の呼吸器は絶対に守ってくれてありがとう❤︎
逞人は逞人の都合でしか、お天気を操れないみたいです(笑)
4.天気で意思表示してる…?
ここまでのエピソードでは、やっぱりただの晴れ男なのでは??と思えます。
しかし、こんなこともありました。
また別のある日のことです。
その日も逞人は在宅中で、体調不良のサインが出はじめていました。
お天気は曇りなので、行けそうな時に早めに病院に連れて行こうかと夫と迷っていました。
でも、今すぐ時間外で受診させるほどでもなさそう…
でも、今なら雨降ってない…
でも、急変したら怖い…
でも…でも…でも…と、2人で逞人のベッドサイドで悩んでいると、雨が降ってきました。
もう自力では病院に行けない状況になってしまいましたが、
その時なぜか「そっか、逞人は今は外に出たくないんだね」と変に納得してしまいました。
結局、その日は自宅で様子をみて、次の日の外来受診をしました。
その間は特に急変することもなかったので、結果よかったです。
このことがあってから、逞人は感情や意思を天気で伝えることがあると知りました。
- 外に出てもいい気分の時
- 機嫌や体調がいい時
- どこか行きたいところがある時
- 病院に連れて行ってほしいくらいしんどい時
逞人は「雨の日は出かけられない」ということを知っています。
なので上記のような日は、たいてい晴れます。
無理矢理にでも、雨だけは止ませてくれます。
- 構ってほしい時
- さみしい時
- 褒めてもらいたい時
- まだ今いる場所にいたい時
こんな時は、雨が降ります。
最近では、起きた時にママがそばにいないことに気づいて泣く時にゲリラ豪雨を降らせます。
私が病院に面会に行って帰るときは、逞人が寝てる隙にそっと帰ります。
私が帰宅してから、あるいは帰宅途中に大雨が降ると
「あ…逞人起きた…私がいないことに気づいた…」
と、申し訳なく思うと同時に、とてつもなく愛おしく思う感情が溢れかえります。
5.逞人は意思表示できる
逞人を産んでから、1番辛くて悲しかった時は、もう逞人に笑いかけてもらえることは一生ないと宣告された時でした。
子どもは笑ったり泣いたり怒ったり…そうやって意思表示してくれます。
でも逞人は一生それがないと言われた時、目の前が真っ暗闇になりました。
でも、それは違いました。
相変わらず声を出したり動いたりすることはできませんが、それでも逞人は意思表示できる力を持って生まれてきました。
言動以外の全てを使って、私たちに伝え続けてくれています。
きっと最初から意思表示はできていたんだと思います。
それを私たちが受け取ることができていなかっただけで…
最近になって、やっと逞人のそういった「個性」を受け取ったり受け入れたりすることができるようになりました。
今でも逞人の全てが分かるというわけではありません。
でも逞人と一緒に過ごすことで見えるようになったことや分かるようになったことが、本当にたくさんあります。
逞人が諦めずに生きて伝え続けてくれたおかげです。
ありがとう、愛してるよ。