逞人が初退院して初めて家に帰ってきたのは、生後7ヶ月の時でした。
なかなか体調を安定させるのは難しい子なので、1歳を過ぎた今でも細かいスパンで入退院を繰り返しています。
逞人が在宅中に急変した時や、逞人に何かあった時のために、看護師さんと一緒に緊急時の対応マニュアルを作っています。
その一部を紹介します。
- 気管カニューレが外れた時の対応
- 痰づまりの対応
- 酸素化低下時の対応
- 嘔吐時の対応
- その他トラブル対応
- まとめ
1.気管カニューレが外れた時の対応
カニューレは24時間人工呼吸器に頼って生命を維持している逞人の命綱です。
気管切開した喉の穴から挿入して、人工呼吸器の回路と繋いでいる管のことです。
こちらの記事「逞人のカニューレと痰吸引」でも紹介しています。
これがもしも逞人の首から外れてしまった場合、逞人は呼吸ができなくなります。
絶対に外れてはいけないものですが、万が一事故等で不意に抜けてしまった場合は、すぐに入れ直します。
- 逞人を仰向けにする
- 肩の下にタオル等を敷いて顎を上げて気切口を見やすくする
- 弧を描くように喉に挿入する
この子は逞人ではないので、実際の気切口はありませんが、こんな感じのイメージです。
これ、私たちでもできるように練習しましたが、やっぱり怖いんですよね…
早く早く!逞人が息できない!と焦ってしまうと、なかなか入りません。
ましてや、何の準備もしていない状態で不意に抜けてしまった時には、かなり慌てると思います。
そんな時には、慌てずマスクバッグをします。
- 顎を上げてマスクを顔に密着させる
- 呼吸器と同じペースでバッグを押す
- 胸が上下しているか確認する
カニューレが抜けてしまっても、多少は気切口から漏れますが、口から肺に空気を送り込むことはできます。
余裕があれば、肩の下に枕を入れたり、気切口を濡れたタオル等で塞ぐといいそうです。
呼吸が止まっている我が子を目の前にして、絶対にそんな余裕はないと断言できる…
幸いなことに、私たちは今までそういった事故を起こしたことはありません。
しかし万が一起こってしまった時には、もう無理にカニューレを入れようとはせず、すぐに救急車を呼んで、その間マスクバッグをしようと、夫と相談して決めています。
2.痰づまりの対応
私たちが1番恐れている事態は、逞人の肺に空気が入らなくなって呼吸ができなくなることです。
ちゃんと人工呼吸器に繋いでいて、ちゃんとカニューレも入っている状態でも、逞人の気管に痰が溜まってしまうと呼吸ができなくなります。
常に痰吸引はしていますが、体調が悪くなると分泌物が増えたり、痰の水分が減ってネバつくと吸引しにくくなったりします。
そういった時はまずアンビューバッグでバギングをします。
人工呼吸器の回路を外して、手動でバギングすると、普段より痰が上に上がってきやすいそうです。
実をいうと、あまり実感はないのです…
しかし病院で先生や看護師さんが痰吸引する際には、必ず手動でバギングしているので、きっと間違いないのでしょう。
今まで在宅でも何度かしたことはあります。
あとは、排痰マッサージも有効だそうです。
呼吸のたびに上下する胸の動きに合わせて、手で肺の辺りをマッサージします。
肺の中に溜まっているであろう痰を、気管に向けて流すイメージで手を動かします。
これもたまに在宅ですることもあります。
なんとなく痰が取りづらいと感じた時に、なんとなく効果がありそうな気がします。
曖昧ですみません…
3.酸素化低下時の対応
逞人の呼吸状態を確認する手段として、パルスオキシメーターというものがあります。
これは家で実際に逞人が使っているものです。
逞人の体内の酸素濃度を常に測定してくれています。
酸素は95%以上を維持するように気をつけています。
在宅用の酸素です。
あまり普段は使っていませんが、緊急時や酸素化が低下した時に使用します。
5ℓまで流入できます。
「あまり普段は使っていないので、いざという時に躊躇いがちですが、酸素化が低下した時は、迷わず5ℓ流してください」と先生に言われています。
酸素を流しながら痰づまりの対応をして、そのまま酸素化が改善しないようなら救急車を呼びます。
4.嘔吐時の対応
- EDチューブからの栄養注入を止める
- 口の中を吸引する
- 胃管が抜けてきていないか確認する
- 胃内容をシリンジで吸引する
- 気管内を吸引する
これをしても繰り返し嘔吐したり、あまりにも嘔吐物や胃の内容物が変だったりしたら、外来受診します。
今まで逞人は在宅期間中に嘔吐したことは一度もありませんが、逞人が入院中に嘔吐するのを何度か見たことがあります。
ケポッという音とともに、鼻や口から胃液がブワッと出てきて、初めて見た時はそれはそれはびっくりして慌てました。
病院で見ていたおかげで、もう今は慌てず対応できると思います。
5.その他トラブル対応
- EDチューブが抜けてきている
→栄養注入を止めて、すぐに受診する
- EDチューブが詰まった
→白湯で押しても通らなかったら、すぐに受診する
- 胃の内容物が多い、または色が変
→経過観察後、様子が違えば受診する
- 発熱(38.0℃以上)
→すぐに受診する
他にも色々と考えられると思うので、随時追記します。
6.まとめ
あらためて自分でまとめ直すと、新しい気付きになる部分もあって、自分にとって良い復習になりました。
こうやって緊急時のために色々と対策しておくことは大事ですが、やはり1番大事なのは慌てないことだと再認識しました。
オロオロしていて遅れた1秒の判断が、逞人の命取りになってしまいます。
慌てないことが1番大事だけど、でも1番難しいんですよね。
何があっても冷静に対応できるように、日頃からシミュレーションを怠らず、対応策を相談しあっておくことが大切ですね。
頑張ります!!